鹿肉のドッグフードのメリット

ドッグフードの動物性タンパク源

日本では、家畜として牛、豚、馬、羊、ヤギを生産しており、家禽では鶏、七面鳥、ウズラ、アヒル、合鴨などが生産されていますが、家畜や家禽でドッグフードの原材料としてポピュラーなのは、牛、豚、馬、羊、鶏です。また、畜肉以外の獣肉でドッグフードの原材料に利用されるものにウサギ、イノシシ、鹿などの肉があります。ただ、人間の食品用も含めて国内での生産・流通量のほとんどを占めるのは牛、豚、鶏です。品質やブランドにもよりますが、その3種類の肉は犬の動物性タンパク源として店頭でもインターネットでも手に入りやすくなっています。

ドッグフードの原材料としての鹿肉

ドッグフードの原材料になっている鹿肉には、国産のものも海外産のものもあります。
国産の鹿肉は、北は北海道から南は鹿児島県まであちこちに産地があり、種類はエゾシカやホンシュウジカなどが使用されています。スーパーなどで鹿肉を見かけることはほとんどありませんが、インターネットなどで探すと産地直送のサイトがすぐに見つかり、人間の食材としてもドッグフードに加工したものとしても、手に入りやすくなっています。
また海外産の鹿肉としては、ヨーロッパ各地、ニュージーランド、アメリカなどのものがドッグフードに加工されて日本に輸入されており、こちらもやはりインターネットで探すといくつものメーカーの製品が見つかります。

鹿肉のドッグフードのメリット

良質なタンパク質

犬にとって良質なタンパク質かどうかを決める大切な要素として、必須アミノ酸がどのように含まれているかがあります。たんぱく質を構成しているのは約20種類のアミノ酸ですが、そのうち犬の体内で作ることができない必須アミノ酸は10種類(アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン)です。これらは食物から摂る必要がありますが、鹿肉にはメチオニン以外のアミノ酸がすべて含まれています。つまり、犬にとって鹿肉は大変良質なタンパク源なのです。

良質な脂質

犬は、必須脂肪酸であるオメガ6系のリノール酸とオメガ3系のαリノレン酸を食物から得る必要があります。犬にとってのオメガ6とオメガ3の理想的な摂取量の比率ははっきりと解明されていませんが、およそ2~4対1程度と言われています。鹿肉にはリノール酸とα-リノレン酸が2~3対1の割合で含まれていますので、鹿肉は犬にとって、とてもバランスの良い良質な脂質ということになります。

低アレルギー

牛肉、鶏肉、ラム肉、豚肉は、記載の順に犬の食物アレルギーが出やすい肉です。犬は人間よりもタンパク質が多めに必要で、しかも犬に必要な必須アミノ酸を得るためには動物性タンパク質が良いのですが、牛肉などに含まれるタンパク質により食物アレルギーになってしまう可能性が少なからずあるというのです。これらと比較して鹿肉は、アレルギーが出にくいという特徴があります。また、鹿は家畜ではなく野生動物なので、添加物や抗生物質やホルモン剤の残留リスクが低いという意味での低アレルゲン食材でもあります。ですから、牛や鶏や豚でアレルギーが出てしまった犬には、鹿肉を試してみてください。

鹿肉のドッグフードは優秀!

このように、鹿肉は高タンパクなので食欲のない犬や老犬に、低脂肪・低カロリーなので肥満の犬に、低アレルギーなのでアレルゲン除去の療法食に、鉄分が豊富なので貧血気味の犬に、オメガ3脂肪酸で血液をサラサラにしたい腎臓疾患の犬にと、多方面で活躍します。鹿肉のドッグフードはとても優秀なのです。