無添加のドッグフード

ドッグフードの添加物とは

人間のための食品添加物とは、食品の製造の過程で、食品の加工・保存の目的で食品に使用するもので、食品衛生法による規制があり、1000種類以上の添加物がリストアップされています。
一方、ドッグフードの添加物については、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)をはじめとした法令による規制があり、発色剤の「亜硝酸ナトリウム」、酸化防止剤の「エトキシキン」「ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)」と「ブチルヒドロキシアニソール(BHA)」について、ペットフードに含まれていても良い量の上限が定められています。そしてそれ以外の添加物は使用の制限はないのですが、ペットフード協会が自主基準を設けていて、人間の食品や家畜の飼料への添加が認められている添加物を使用するよう産業界に呼びかけています。

「無添加」は何を添加していないの?

無添加と聞くと、着色料や防腐剤などが入っていないのかなと思う方も多いと思いますが、無添加と表示して売られているドッグフードについて何が無添加なのか見てみると、添加していない品目として挙げられているのはいわゆる添加物だけではありません。合成着色料、人口調味料、人口香料、保存料、防腐剤(エトキシキン、プロピレングリコール等)、グレイン(米、麦類、とうもろこし、など)、グルテン、大豆、乳製品、牛肉、豚肉、肉の副産物、糖類、イーストなどなど。いわゆる食品添加物ではないものもありますが、「無添加」の対象を何にするかは、各メーカーが犬の健康に悪影響があるものをどう考えるかによりますので、一律のルールはありません。

「無添加」でも添加物が入っていることもある

パッケージに無添加と表示していても、いわゆる添加物が加えられている場合もあります。例えば「○○無添加」と表示してあっても、いわゆる添加物、例えばオメガ3、魚油、ゲル化剤、ビタミン類(A、ビタミンB2(リボフラミン)、B6、B12、D、E)、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、コリン、ナイアシン、パントテン酸、チアミン、ピリドキシン、葉酸、タウリン)、グルコサミン、コンドロイチン、メチルサルフォニルメタン(MSM)、などが入っています。添加する理由は総合栄養食の基準を満たしたり、さらなる栄養強化や食感を良くするなどのためと思われます。具体的な成分がわからないものもありますが、これらは概ね食品添加物として指定されています。

「無添加」、「不使用」の表示ルール

このように、少々わかりにくい側面もある「無添加」表示ですが、ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則では、「無添加」、「不使用」またはこれらに類似する用語を使用する際のルールが定められていて、まずどの原材料を添加していないのかが明確に表示されていること、そしてペットフードの全ての製造工程においてそれが使用されていないこととなっています。

何が無添加なのかを確認しましょう

ドッグフードについて無添加と言う場合、定義が一通りではないということによく注意する必要があることがわかります。愛犬家の皆さんがそれぞれ持っている無添加のイメージと、各メーカーの定義とは異なっているかもしれません。ですから、それぞれのドッグフードについて何が無添加だと言っているのかをよく確認してくださいね。