ドッグフードに含まれる添加物について

人の食品の添加物は食品衛生法

私たち人間が普段から食べている食品について考えてみると、スーパーなどで目にする加工食品の多くに、何かしらの添加物が入っているという印象があると思います。
添加物の働きは、栄養価を高める、日持ちを良くする、美味しくするなど様々で、その種類も多数あり、私たちがいろいろな食品を安心しておいしく食べるために、とても大きな役割を果たしています。ですが、摂取し過ぎると体に負担がかかってしまうものもあり、日本では食品衛生法という法律で添加物の使用に関する様々なことを定めています。

ドッグフードの添加物のルール

ペットフード安全法による添加物の規制

ドッグフードにも、製造過程で添加物が加えられることがあります。
使用する目的は、栄養価を高めたり、日持ちを良くしたりするなど、人の食品に使う際と同様です。ドッグフードに使用する添加物は多種多様ですが、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称ペットフード安全法)ではいくつかの添加物について、ペットフードに含まれていても良い量の上限値を示しています。
具体的には、発色をよくする「亜硝酸ナトリウム(*1)」と、酸化を防止する「エトキシキン(*2)」の含有量の上限、それから同じく酸化を防止する「ジブチルヒドロキシトルエン(*3)」と「ブチルヒドロキシアニソール(*4)」については、エトキシキンも合わせた3つの添加物の総和量について上限が定められています。さらに、添加物の表示についても定めがあり、使用した添加物の名前はすべて記載すること、また使用目的が甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤および発色剤である場合は、用途も併記することとなっています。

*1.亜硝酸ナトリウム:食肉中のヘモグロビンなどと結合して、赤色を保ちます。他の発色補助剤と併せて使用されることが多く、ボツリヌス菌の繁殖を抑える効果もあります。
*2.エトキシキン:飼料の品質維持に用いられます。油脂やビタミン A 、 Eなどの有効成分の酸化を防止して安定させる働きがあります。
*3.ジブチルヒドロキシトルエン(BHT):脂溶性で、安定した酸化防止効果により品質の劣化を防ぎます。油脂や魚介製品などに用いられます。
*4.ブチルヒドロキシアニソール(BHA):食品への浸透が良く、BHTと同様に優れた酸化防止効果があります。油脂や魚介製品などに用いられます。

ペットフード協会による添加物の自主基準

ペットフード安全法に加えて、一般社団法人ペットフード協会では自主的な基準を作成し、これを守るよう各ペットフードメーカーに求めています。
その自主基準とは、ペットフードに使用する添加物にも、日本やアメリカやヨーロッパで人の食品や家畜などの飼料に用いることが認められている添加物を使用しましょうというものです。
日本では、ペットフードは食品とはみなされていませんが、人の食品と同様に高い安全性を目指して、ペットフード協会をはじめ各ペットフードメーカーが自主的に取り組んでいるということですね。

メーカーごとに特色のあるドッグフード

このように、ドッグフードに添加物を使用する際にはルールがあり、各ドッグフードメーカーは、法律や基準に適合したドッグフードを取り扱うことが求められています。ですが、それにしても様々なドッグフードが販売されていますね。それは、ドッグフードの各メーカーが、法律などの基準をクリアした上で、さらに独自の調査や研究を行い、愛犬の健康と幸せについてそれぞれの考えを持って、ドッグフードを作っているからです。
なかなか食が進まない愛犬が、特定のフレーバーのドッグフードなら食べてくれるということもあるかもしれませんし、ある栄養素がどうしても不足しがちな場合は、その栄養価を高めたドッグフードが必要ということもあるでしょう。また、できるだけ添加物が使用されていない方が、愛犬の体の負担が少ないのではないかという考え方もあります。多くの選択肢を比較検討する作業は手間がかかって大変ですが、愛犬家の皆さんにとってかけがえのない存在である愛犬に、最も合うドッグフードを見つけてあげられるといいですね。